【会社売却Q&A解説】買主が会社買収をする理由は?

Q.買主は何を意図して会社買収をするの?

Answer

買主が会社買収を行う理由としては、主に以下の4つのケースがあります。
同業他社を買収して規模を拡大したい
②自社の未参入分野に新規参入したい
③外注している部門を内製化したい
④買収した会社を数年後に上場または転売して利益を得たい

会社買収において古典的に存在するケースは、上記①の同業他社を買収して規模を拡大するケースと、自社の参入していない分野の会社を買収して当該分野に新規参入するケースです。
これらを目的とした買収は当然ながら現在も頻繁に行われていますが、近年増加しているケースが上記③の外注している部門の内製化のケース及び上記④の上場または転売して利益を得るケースです。

上記③の外注部門の内製化のケースについては、主にIT分野において近年急増しています。D2Cモデル(Direct to Consumer)によるECサイト(Electronic Commerce)構築・運用の必要性が典型的であり、IT人材の不足している現在、従業員の価値を対象とした会社買収が行われているものです。

上記④の上場(IPO:Initial Public Offering)または転売して利益を得るケースについては、PEファンド(Private Equity)の拡大(※正確にはPEファンドのうちBuyOutファンド)と共に近年増加しています。会社買収をした後に対象会社の上場適格性要件を満たすよう社内整備をしたうえで上場を行う、あるいは、会社内の構造改革を実施し増収とコスト削減を行ったうえで第三者に転売する、といった方法により、当初買収した価格の〇倍の売却価値を得ることを目的としているものです。

なお、売主の立場としては、どのような買主に売却するか、いかなる買収目的を是として買主を選択するかは売主の自由であり、例えば上記④のように上場して売り抜けて利益を得ることを目的とする買主には、そもそも売却しないという選択をすることも可能です。

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